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実際に効果のある自己紹介シートの作り方と、その理由を解説

効果のある自己紹介シートの作り方を知りたい方へ

 

どんな業界の営業マンであっても、「最初が肝心」なのは間違いありません。
初めてお客さまと対面するときの「数分間」というのは、その後の展開に、おおきく影響するからです。

 

例えば、法人向けセールスの新規開拓で、営業マンが、「最初の数分間」で上手くできないと、取り合ってもらえず、下手をすれば門前払いになってしまいます。


法人営業においては、受付担当者という「ゲートキーパー(門番)」がいる事も多いので、なおさらです。

 

なぜ最初が大切かといえば、「お客さんは警戒している」からです。
アポ無しの営業マンが突然きたら、誰だって警戒します。


しかし、アポがあっても警戒はあるのです。
例えば、不動産屋さんにふらっと現れたお客さんが「いい土地ありませんか?」という時、お客さんは警戒しています。
自分から不動産会社へ訪問しておいて、それなのに警戒しているわけですが、それが普通なのです。

 

そうした、「警戒モード」にあるお客さんを相手にするのが、「はじめまして」の瞬間です。
だからこそ、営業マンにとって、最初の「数分間」という、すべり出しが、とても重要なわけです。

 

自己紹介シートは、使わない方が良い時もある?

そして、営業という仕事は、そうした「はじめまして」という重要なあいさつの瞬間から、
自己紹介、簡単な要件説明へと進んでいきます。


この辺から一気にセールス・スキルは難しくなっていくのです。

 

ここで、この記事のテーマでもある「自己紹介シート」についてです。

  • そんなの使わないほうが良い。名刺だけで良い
  • 上手に自己紹介シートを活用した方が良い

本当のところ、どちらが良いんでしょうか?

 

もちろん、よく出来た自己紹介シートを活用するのが一番良いのです。

しかし実は、使わないほうが良い、というケースもあります。

では、よく出来た自己紹介シートを作るとしたら、どのようなものが効果的なのでしょうか?
この記事は、その点も、詳しく説明したいと思います。

 

具体的には、この記事では、

  • そもそも「自己紹介をする」効果は?
  • 自己開示の返報性の法則とは?
  • 自己紹介をうまくやると、営業マンの説得力が増す!?
  • 「愛他の研究」からも自己紹介は大切
  • 「自己紹介」以外には、何を書くべきか?
  • どのようにツールを作ればいいのか?
  • 自己紹介ツール作成のコツ…その1(自己開示パーツ部分)
  • 自己紹介ツール作成のコツ…その2(写真の工夫)
  • 自己紹介ツール作成のコツ…その3(会社や商品のアピール部分)
  • 優れた「自己紹介シート」でも、役に立たないのは、どんな場合か?

 

などについて、順番にお話していきます。

ぜひ、自己紹介シートを作るか作らないかの判断材料のヒントや、
また、自己紹介シートを作るのならどのようなものにするかヒントにして頂ければと思います。

 

 

この記事は、次の人に役立つ記事です

さて、この記事が読者対象としてイメージしている「営業マン」というのは、いろいろです。

  • 「問い合わせ客への客先訪問」というスタイルの営業さん
  • 「会社に来店してきた客への接客営業」という窓口セールスだってあるでしょう。
  • 「資料請求してきた客へのアポ無し訪問」という、すこし強引なセールスさんもいますし、
  • 「まずは電話でアポをとって、その客への初訪問」という法人セールスなどなど、

 

また、次のような、いろいろな事情を抱えていらっしゃる方々を対象としています。

  • 新規の見込み客や、問い合わせ数はあるだけに、あとはセールス力を向上させれば業績はもっと伸ばせると考えている。自社の営業マンはスター選手がいるわけでなく、ごく普通の人材だが、それでも営業ツールや仕組みを考えて「強い営業チーム」にしたい。
  • うちの会社は、田舎町にあって求人をしても営業マンの質が高くできない。それでも営業マニュアルや、仕組みづくりをして、強い営業組織にしたい。
  • 建築会社で、モデルハウスへの集客はある程度できているが、営業マンによって成約率に差がありすぎる。営業の底上げをするためにどのような取り組みをすればいいのか探している
  • 士業や、コンサルタントとして仕事をしているが、自分のアピールポイントや、実績や、工夫のポイントを伝えられず、仕事が増えない。仕事を増やしていけるヒントを得たい。
  • 保険のセールスをしていて、正直言って、商品の品質に他社と違いが無い。営業マンの人間関係をつくるスキルが、そのまま営業成績の差になっている。商品の違いではなく、人を信用してもらうために自己紹介シートを活用したい。

 

 

そもそも「自己紹介をする」効果は? なぜ必要なの?

世界中の人々が、国籍や文化、宗教、男女を問わず、子供から大人まで、「あいさつ」と「自己紹介」をしています。

 

私が英語の教科書で最初に習ったのは、「Hello, my name is KEN」でした。
それだって自己紹介ですよね。
※今の教科書ではこの言い方は古いとして廃止されたそうですよ・・・!!

 

どうして、世界中で「あいさつ」や「自己紹介」は行われているのでしょうか?
そもそも、自己紹介というのは、どのような効果があるのでしょうか?

 

ここで、心理学的に(すこしビジネス向けに)自己紹介の意味合いについて、いくつかご紹介します。

 

◆自己開示の返報性の法則

世の中には、いろいろな人間関係があります。
家族、友達、仕事上の同僚、師弟、同級生、いろんな人間関係があります。

そして、その中で、家族以外の人と関係を築くためには、基本的には白紙状態から関係づくりをする必要があります。
もちろん、会った瞬間から意気投合するってこともあります。
しかし普通は、人間関係を築くために、ある程度の期間がかかるわけです。

こういった白紙状態からの関係づくりというのは、初対面のときは、天気の話や、共通の話題などの差しさわりのない話から始まります。
そうやって、相手のことを知り、何度も会話をしながら、人間関係が築かれ、だんだんとプライベートな話をするようになるのです。

実をいうと、ここで「自己開示の返報性」という法則が働いている事が知られています
それは、自分のことを相手に自己開示すると、自己開示をされた受け手も同程度の自己開示をするという、返報性のルールがあるという意味です。
例えば、私が「畑が趣味なんです」と趣味の話をしたら、相手も趣味の話をするという暗黙のルールがあるのです。
これは「相手がそこまで話してくれたんだから、私も・・・」という返報の気持ちが生じるのかも知れません。

つまり、自己紹介というのは、うまく自己開示すれば、相手との人間関係を短時間で築くことが出来るということです。

 

◆自己紹介をうまくやると、営業マンの説得力が増す!?

営業マンは、信頼してもらうこと、頼りがいがあると感じてもらうこと、が大切です。

それは、言い換えれば「説得力のある人」とも言えます。
では、説得力のある人というのは、どのような人なのでしょうか?

私の考えでは、説得力の高さは、次の式で表されます。

「説得力の高さ= 専門性の高さ ✕ 誠実さ」

つまり、「あの営業マンの言うことは、なんか説得力があるなぁ」と言ってもらうためには、
1.専門的な知識を入手することができる立場にあって、実際に、専門知識があると伝わること
2.営業マン自身にとって不利な情報であったとしても、誠実に、フェアに話をしてくれること。

この2つがお客さんに伝わった時に、「説得力ある」と感じてもらえるという意味を、公式は示しています。

これだけじゃ意味がわからないので、もうすこし具体的な例を挙げたほうがわかりやすいと思います。

 

例えば、ある新人(配属3年目)の法人営業のセールスマンのトークをご紹介してみましょう。

 

(前略)わたしは、これまで不動産管理の仕事は、3年間しか経験がありません。
その経験量としては、まだまだ新人の部類にはいるのかも知れません。
しかし、弊社には過去の約10000件以上もの管理物件のデータがあります。
私は、それらのデータを、時間を気にすることなく、分析することが出来る立場にいます。
それを勉強していると、面白いことがわかります。
家賃というのは非常に重要であるにも関わらず、オーナー大家さんの思いつきや、ただなんとなく決定されている事がほとんどでした。そうした物件には空き部屋が目立つのです。
しかし、地域の家賃分析をしっかり行った管理物件は、高い確率で入居者に困っていないことがわかったのです。
私は新人ですが、ちゃんとお仕事はさせて頂きますし、もし不明なことはごまかさずに、専門家に質問しながら解決していきますので、ご安心いただけると約束いたします。
ただ、一戸建ての賃貸については、あまり当社は強くありません。弊社よりも良い会社はあるかも知れませんので、その場合にはそう申し上げます。
営業マンですから、仕事や契約は確かに欲しいばかりですが、私自身にとって不利な場合も、フェアに情報提供いたします。どうぞよろしくお願いいたします。

 

いかがでしょうか?

この文章のなかには、「専門的な知識を入手できる立場にいる自分」、そして、「専門性の高さを伝えられる知識」、さらに、「自分に不利だとしても伝えるフェアさ」が含まれています。

すこし長いセリフですが、こんな風に言ってくれる営業マンがいたら、『頼りがいがあるなぁ』と感じてもらえるわけです。

もちろん、こんなのを自己紹介シートに書いてもいいわけです。

 

◆「愛他の研究」からも自己紹介は大切だと言える

こんな心理学の研究結果もありましたよ。
それは、愛他行動の研究で、道を歩いている赤の他人の通行人に、様々なお願いをしてみたそうです。
(B・ラタネとJ・M・ダーリー 1970年)

  • 時間と道を尋ねられた場合は、85%がそれに答えてくれました。
  • 両替を頼まれた場合は73%が、応じてくれた。
  • 名前を尋ねてみた場合は、29%が教えてくれた。
  • 10セントを欲しいと、ただ頼んだ場合は34%がお金をくれた。
  • ところが、自己紹介してから10セントを欲しいと頼んだ場合は、それが50%に上がった。
  • 「電話しなければならないが小銭が無いんです」という理由を言ったあとに、10セントを欲しいと頼んだ場合は64%がお金をくれた。

 

どうでしょうか?
当然、自己紹介をしたあとのほうが、依頼は聞き入れてもらえたわけです。

これなんかは、最初から結果は予測できたような研究です。
しかし、あらためて数字で示してみたことに意義があります。

 

こうして心理学の研究結果でも、自己紹介というのは、営業に役立つという結果が得られたわけです。

 

 

いかがでしょうか?
つまり、自己紹介は、たとえどんな自己紹介でも、しないよりはした方がビジネス的には良さそうです。
さらに効果的な内容が含まれているのなら、自己紹介は大いに意味あることであると言えそうです。

 

自己紹介シートで「自己紹介」以外に書くことは?

自己紹介シートだから、自分のことを紹介したら、それだけでOKだと思ったら大間違いです。
自己紹介シートでは、自分自身の紹介をするのはもちろんですが、同時に、
・会社の良さ
・商品の良さ
なども伝えないといけません。
それが無いと、ビジネス上の期待をしてもらえないからです。

 

例えば、私自身であれば、経営コンサルタントという仕事をしていますから、
自分自身(佐藤個人)の紹介だけでなく、
・会社の信頼性について
・コンサルティングという商品の良さ
・研修という商品の良さ
なども伝えないといけないわけです。

それも、自己紹介シートには書いたほうが良いわけです。

「それを説明するのはセールストークでしょ?」
そう思われるかも知れませんが、意外とアピールを延々聞かされるお客さんは辛いものです。
会社の信頼性や、商品の良さを、じっくり話して伝えようとすれば、延々と1時間ぐらい自慢話を聞かせることになるかも知れません。

しかし、自己紹介シートにかかれていれば、ざっと目を通すだけで、おおまかには理解をしてもらえます。
だからこそ、そういった事も伝えられるような、工夫のある自己紹介シートが作れれば、非常に効果的なのです。

 

では、どのようにツールを作ればいいのか?自己紹介シートを作るコツは?(情報整理とまとめ)

ここまで、様々なトピックについてお話をしてみました。

では、いよいよ自己紹介シートを作っていく段階になります。

具体的には、どのような項目を書けばいいのでしょうか?
いくつかのコツをご紹介します。

これまで上記で書いてきたことをもとにすると、自己紹介シートは、
①自己開示パーツ部分、
②会社・商品のアピール列挙部分、
③連絡先部分
というように3つのパーツ部分に割りつけられることになります。

 

◆自己紹介ツール作成のコツ…その1(自己開示パーツ部分)

自己開示パーツ部分には、生年月日や、趣味や、血液型、出身地などのスペック情報だけでなく、文章なども入れると良くなります。
もちろん、自己紹介シートの中には、血液型や出身地、持っている資格や、乗用車の車種など、スペック情報も効果的です。
ところが、「自分の仕事に対しての想い」というものを文章にまとめて自己紹介シートの中に入れておくことも非常に効果的に働くんです。

◆自己紹介ツール作成のコツ…その2(写真の工夫)

写真は満面の笑顔を掲載してください。
人間は社会を形成します。つまり、周囲の人々に、大きく影響を受ける生き物なのです。
これは脳の神経細胞の作用とも言われているのですが、例えば「あくび」は伝染します。「あくび」をする人を見ていると、自分まで「あくび」をしてしまう。
また、ものすごく不機嫌で怒りに満ちている人を近くで見ていると、こちらまでイライラしてきたという経験を持ったことがあるでしょう。
それと同じように、「笑顔」も伝染するのです。
笑顔の人の近くに寄っていく時、人は笑顔になっていきます。
これは自己紹介シートという紙に印刷された写真であっても同じなのです。

 

◆自己紹介ツール作成のコツ…その3(会社や商品のアピール部分)

自己紹介シートの中には、「会社や商品・サービス」についてのアピールポイントを列挙する部分をつくりましょう。
会社や商品・サービスには、様々なアピールポイントがあるはずです。
例えば、会社には資格者の数や、免許、表彰状、実績、保証、サービス上の工夫、お客様から頂いた感想、などなど様々なアピールポイントがあるはずです。
そういった項目について、自己紹介シートの中に掲載しておくのです。

 

優れた「自己紹介シート」でも、役に立たないのは、どんな場合か?

 

実は、営業マンのなかには、この「自己紹介シート」を使わせないほうが良いタイプもいます。
例えば、営業マンのなかには、相手の顧客タイプによって、自分のキャラクターを変化させて演じることが出来る人がいます。
つまり、カメレオンのように自分のキャラを使い分けられるのです。

お客さんが威圧的な態度の方であれば、従順な性格の営業マンを演じます。
優柔不断なお客さんであればリーダーシップを発揮した営業マンを演じるかも知れません。
お客さんが望んでいるのであれば、フランクに友達みたいな接し方を演じることだってできます。

そうやって、お客さんの性格やタイプに応じて、自分のキャラクターを演じ分けられる営業マンもいるのです。


実を言うと、こういったカメレオン・タイプの営業マンにとっては、自己紹介シートによって、
自分のキャラクターが固定化されてしまうのが困るわけです。

 

一般的に、キャラを自由自在に使い分けるほどのカメレオン型の営業マンというのは、営業成績が良い傾向があるので、自己紹介シートという営業ツールを使わなくても良いのかも知れません・・・。

 

実際の使い方はいくつもあります

見積書に添付してホチキスで閉じる
年に1回のご挨拶の時に、自己紹介シートを更新して手渡してくる
定期訪問時に留守ならコメントを書いて置いてくる

「はじめまして」の瞬間ばかりでなく、様々なシーンで活用が可能です。

 

実際に、私は、異業種の方々と交流するときに、「自己紹介シート」を名刺と一緒に手渡したことがあります。

出版社が主催する交流会でのことでした。

そこには、様々な業界の一流の方々がいらっしゃっていました。

芸能人みたいな華やかな方々ばかりで、私は場違いな感じがしたので、私は立食パーティのサンドイッチを会場の隅っこで黙って食べてました。

「マーケティングコンサルタント」には、どこか怪しい職業というイメージがついてまわります。

だから他の業界の方々とお会いして、名刺交換をしても、あまり相手にされない事もあります。それが普通です。

だから、その日も隅っこで、「次はローストビーフだな」とモグモグしていたわけです。

 

ところが、出版社の方が気を回して、「佐藤さん、いろんな方をご紹介しますよ」と、私を連れて回ろうとしたのです。

出版社「この方はマーケティングコンサルタントで、すごい方なんですよ」

ご来賓「はぁ・・・」

わたし「はじめまして(名刺わたす)」

ご来賓「あ、はい。よろしくおねがいします」

全員「・・・・・・」

 

こりゃいかん。

 

そう思って、クロークに預けてあったカバンから、私は「自己紹介シート」を取り出してきました。

それを持って、また出版社さんと挨拶にまわったのです。

いつの間にか、わたしの周りには、多くの方が話しかけてくれるようになっていました。

そこで有名なローストビーフは食べられませんでしたが、出版社さんの顔も潰すことなく、いろんな方々と話をして、とても参考になったと喜んでもらえたようです。

 

いつ芽が出るかわからない、そういう名刺交換の時でも、効果的な自己紹介シートなら、いつか機が熟した時に役に立ってくれます。

 

ぜひ、自己紹介シートを活用してみてください。

部分的にでも参考になれば幸いです。

 

 

また新しい事が増えたら、更新します。

 

執筆者:株式会社マーケティング・トルネード

代表取締役 佐藤昌弘

 

 

 

 

 

 

 

 

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