たいして美味しくもないのに客が多いカフェ

そのカフェは、不思議と客が多いのです。

たいして美味しいわけでもありませんでした。
明太子クリームパスタを頼んだら、明太子なんてほとんど無い。
これじゃクリーム海苔パスタだろと突っ込みたくなりました。

コーヒーはマグカップで出てきます。
テーブルが歪んでいるのか、カップが歪んでいるのか・・・。コトコト落ち着かない。
百円ショップで買ったマグカップでも、もっと良い品質だろうと文句を言いながらのコーヒーは350円。

そんなカフェなのにお客さんは一杯。
この店が流行っている理由は何でしょうか?

この店のお客さんなら、全員、その繁盛の理由を知っていたはずです。
それは、「座敷スペースがあるから」です。

このお店では、よく見かけるお客さんのタイプがありました。
お互いに赤ちゃんを連れているママ友達2人が、コーヒーのみながら、ランチを食べつつお話ししてるんです。
お客さんは子連れのママがほとんどと言ってもいいぐらいでした。

もともと焼肉屋さんだった建物だが、空き家になっていたのを、そのまま居抜きで借りてリフォームしたからなのか、掘りごたつみたいな座敷が、そのカフェにはあったのです。

いわゆるスターバックスみたいなカフェに、赤ちゃんは連れて行きづらい。
しかし、この洋風だが掘りごたつ風のカフェなら、赤ちゃん連れでも安心していられます。
それがウケていたわけです。

さて、そうした繁盛の理由だったわけなのですが、どうやら、
当のお店の経営者はそのことを分かっていなかったらしいのです・・・。

やらかしました。
儲かってきたからなのか、なんと「座敷を無くすという店舗リフォーム」をやらかしたのです。

座敷がなくなってしまったら、もう、普通のカフェってことです。

いえ、普通のカフェならまだ良かったのです。
たいして美味しくもないパスタを出してくる普通のカフェになったのです。

「やらかした」お店の展開は、予想通りの結末が待っていました。
あれこれと、メニューをいじくったりして、あがくのだが、客足は遠のくばかり。
久しぶりに目の前を車で通ると、閉店してしまっていました。

私は、他人ごと、と笑っていられませんでした。
なぜなら、自社のアピールポイントって、意外と自分自信では、あんまり良くわかってないかも知れないな、と思っていたからです。

「あなたの長所はどこですか?」

しっかり考えておく必要があります。

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