大村はまさんの『教えるということ』を読んだ。
なかなか厳しい。
なかでも、引っかかったのがこの話。
「やったけれども、やれませんでした」
こんな言い訳は通用しない、と大村さんは書いていた。
一生懸命やったからといって、どうして「うまくいかなかったこと」の言い訳になるのか? ただ「うまくいかなかった事実」があるだけの話・・・という。
これを読んで、
ああ、プロフェッショナルってそういうことだよな、と思った。
私はコンサルタントなので、クライアントに提案をする。
一生懸命考えた企画アドバイスだが売れなかった。
一生懸命に添削した広告に反応がなかった。
一生懸命に営業研修をしたが、営業マンがやってくれなかった。
そんなことはいくらでもある。
でも、
「いやあ、かなり一生懸命考えたんですけどね」
と言ったところで、クライアントには何の関係もない。
努力は、こちら側の事情だからだ。
もちろん、仕事なんだから、やってもうまくいかないことはある。
というより、うまくいかないことのほうが多い。
大村さんも、一生懸命やれば必ずうまくいく、などとは言っていない。
むしろ逆だった。
「一生懸命教えてやれば、子供は出来るようになるなんて思ったら、甘い」
世の中の仕事は、そんなふうにはできていない、と言う。
この二つがセットなのがいい。
一生懸命やっても、うまくいくとは限らない。
そして、一生懸命やったことは、うまくいかなかった言い訳にもならない。
素敵に厳しい。
プロというのは、本来、厳しいものなんだろう。
成果が出なければ、
どうすれば成果が出るのか考える。
やり方を変える。
勉強する。
もう一度やる。
それでもダメなら、また考える。
「でも、私は一生懸命やりました」
で、自分を免責しない。
成果が出なかったのを、相手のせいにせず、
そうかといって「自分は一生懸命やった」と自分を許す材料にもせず、
どうすればもっと良くなるかを考え続ける。
『教えるということ』というタイトルだけれど、
これは案外、
「プロとして仕事をするとは、どういうことか」
にも十分に通じる内容で、すごく刺激になった。
