天の布置(その3)
前回は、「種まき」について書きました。
回収期間を短くおくのが「営業活動」。
回収期間を数年、決めない、そんなのが「種まき」。
未来へ向けて、回収期間を定めず、発信や信用や実績という資産を置いていくこと。
これは、天の布置の土台になります。
でも、それだけでは足らないかも知れません。
同じくらい発信している人でも、仕事が集まる人と、そうでない人がいます。
その違いは何だろうか。
私は、「越境」を付け加えたいと思います。
越境とは、異業種交流とかじゃない
「越境」というと、
異業種交流会へ行く。
そんなイメージを持つ人も多いでしょう。
もちろん、それも悪くありません。
でも、私が言いたい越境は、それとは少し違います。
私は、
別の世界で発見された「原理」や「構造」を、自分の世界へ持ち帰ること。
これが越境だと思っています。
例えば、
- ギフトショップが、文学を学び、感謝の気持ちを伝える感動のお手紙をギフトにつけられるショップになった。ギフトショップがギフトの勉強だけしているのではなく、「文学」へ越境するということです。
- 営業マンが、心理学を学び、人が納得する仕組みを理解して、展示会の営業設計をした。
営業分野から、心理学分野へ越境。 - 建築会社が、ペット飼育を研究し、「住み心地」だけではなく「本当のペットと住まう家」を設計するようになった。建築士が獣医さんやブリーダーの世界へ越境。
- YouTuberが、映画の予告編を学び、最後まで見られる動画を作るようになった。
- 経営者が、生物学を学び、組織を「管理」ではなく「生態系」として考えるようになった。
越境というのは、こんなイメージが近いと思います。
なぜ越境すると、天の布置が起きるのか
ここが一番大切です。
営業だけ知っている人には、営業の相談しか来ません。
建築だけ知っている人には、建築の相談しか来ません。
でも、
営業と心理学。
建築とペット。
経営と生物学。
そんなふうに二つ以上の世界を知っている人は、
「あの人しか思いつかなかった。」
という存在になります。
つまり、
競争相手が急激に減る。
ここが越境の価値なのです。
営業の話を、心理学で説明する
例えば、私は営業を30年近く研究しています。
昔は、
「この営業トークはうまい。」
「この人は売れる。」
そんな見方をしていました。
でも、そのうち疑問が出てきました。
なぜ、その言い方だと安心するのか。
なぜ、その順番だと納得するのか。
なぜ、人は比較したくなるのか。
なぜ、先送りするのか。
こうした疑問を追いかけると、営業の本だけでは足りなくなります。
心理学。
認知科学。
行動経済学。
交渉学。
コミュニケーション論。
結局、営業を深く理解しようとすると、営業以外の世界へ行かざるを得ませんでした。
構造は、どこでも使える
逆に言えば、一度「構造」が見えてしまうと、それは営業だけのものではなくなります。
例えば、
人が興味を持つ流れ。
安心する流れ。
納得する流れ。
行動する流れ。
これらは営業だけではありません。
Instagramにもあります。
採用応募のウェブページにもあります。
プレゼンテーションにもあります。
セミナー構成にもあります。
商品紹介にもあります。
だから私は、営業の仕事を研究しているつもりが、いつの間にか動画制作やマーケティングや採用設計の相談まで受けるようになりました。
仕事が増えたというより、「同じ構造が見えるようになった」のです。
境界は、人間が作ったもの
営業。
マーケティング。
採用。
教育。
経営。
動画。
これらは別々の仕事に見えます。
でも、人間の心理は一つです。
営業を深く知ろうとしたら心理学へ。
心理学を学んだら脳科学へ。
脳科学を学んだらAIへ。
AIを学んだら教育へ。
私は「越境しよう」と思ったことはありません。
営業分野の問いを突き詰めていったら、境界のほうが勝手になくなってしまったのです。
越境する人は、仕事を選ばない
「これは営業の仕事だから。」
「これは動画だから。」
「これは採用だから。」
そうやって仕事を分類する人は少なくありません。
でも私は、
「人が動く構造」
さえあれば、あとは応用できると思っています。
だから未経験の仕事でも、
「やってみます。」
と答えられることがありました。
もちろん怖いです。
でも、原理が同じなら、実装方法を学べばいい。
そう考えてきました。
天の布置は、境界の外で起きる
振り返ると、私の仕事の多くは、本業のど真ん中ではありませんでした。
営業の話をしていたら、マーケティングの相談が来る。
マーケティングをしていたら、番組制作の話になる。
番組制作の経験が、後になってYouTubeへつながる。
出版の経験が、セミナーへつながる。
一つ一つは偶然に見えます。
でも、実際には、「構造」という一本の線で全部つながっています。
私は、この一本の線を持っている人ほど、天の布置は起きやすいと思っています。
異なる世界をつないでいる人は、A業界からも、B業界からも声がかかります。
本人は偶然だと思っていますが、周囲から見ると、「あの二つをつなげられる人は、あの人しかいない」のです。
私は、この「指名される状態」が、天の布置を生み出している一つの理由だと思っています。
次回は、「内軸」
種を蒔く。
境界を越える。
ここまで来ても、まだ足りません。
同じ能力を持っていても、「あの人に頼みたい」と思われる人と、そうでない人がいます。
その違いは技術ではありません。
「この人は、何を大切にして生きている人なのか。」
その一貫性です。
私は、この見えない重力を「内軸」と呼んでいます。
・種をまく(済)
・越境する(済)
・内軸を持つ ← 次はこれ
・即答する
・超感度で待機する
・1経験を20用途化する
・過去を意味づけする
・「願えば叶う」との違いを理解する
次回は、この内軸について書いてみます。
